東京・横浜マザーズ通信

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小規模保育ってかわいそう?利用者の立場から10の疑問を徹底的に検証していきます

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こんにちは。松納言(しょうなごん)です。

うちの長男たーたんは、横浜市の認可保育園に通っています。マンションの一室を利用した小規模保育室です。今回は、実際に小規模保育を利用している立場から、そのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

そもそも小規模保育って何?

小規模保育は2015年度よりスタートした、新しい子育て支援の仕組みです。子ども・子育て支援の一環として、家庭的保育(保育ママ)や事業所内保育と共に市町村の認可事業として新設されました。

小規模保育はマンションの一室などを保育の場として活用できることから、待機児童問題の緩和が期待されています。施設の定員は6人以上19人以下と決められており、対象となる年齢も0歳~3歳未満児です。

保育士一人あたりが担当する子どもの数が少ないため、子どもの個性を尊重した手厚い保育ができるといわれいます。女性の社会進出、待機児童解消を掲げる国の政策のもと、地方自治体が主体となって小規模保育環境の整備が進められています。

制度の概要 - 子ども・子育て支援新制度 - 内閣府

何で小規模保育を選んだの?

待機児童数が全国的にも多い横浜市では、1歳児での申し込みは激戦でした。保育園見学を10か所以上したうえで、申し込み用紙に第8希望まで書いて提出。今通っている小規模保育室は第8希望、つまり最も低いランクで申請をしました。

激戦とはいえ比較的点数が高かった私は、第7希望までの認可保育園で、どこかひっかかるだろうと思っていたのです。なので、小規模保育室への認定通知書が届いたときは戸惑いました。はっきりいってがっかりしました。小規模保育室は、あくまで滑り止めとしての位置づけで申し込んでいたからです。

もちろん現在通っている小規模保育室も見学済みで、預けてもいいと思えたからこそ、申し込みをしました。実際、働く先生方はとても温厚で、預けられている子どもたちも楽しそうに遊んでいました。けれども本命の認可保育園に落ちて、人気のない小規模保育室に泣く泣く入ることになったという印象がぬぐい切れませんでした。

私としては、あえて小規模保育室を選んだのではなく、軽い気持ちで第8希望に書いてしまったがために、そこに入ることになったというのが正直なところです。

マンションの一室って狭くない?

やっぱり狭いです。たーたんの通う小規模保育室は全児童が10名です。プラス保育士、栄養士、管理者の大人が3名~7名います。広さ80㎡のマンションの一室で、最大20名弱が一緒に生活を送るのです。保育見学などで室内に入ると、どうしても狭さが気になってしまいました。

また小規模保育室のデメリットとして大きいのが、園庭がないことです。入室当時はよちよち歩きだったたーたんも、今では追いかけるのがやっとなくらい元気いっぱい走り回っています。狭い保育室では力を発散しきれていないのでは?と思うことも多々ありました。しかし最近ではあまり狭さが気にならなくなりました。その理由は3つです。

理由①:そもそも動き回れる子どもが少ない

小規模保育室は0歳児~2歳児が対象です。ねんね期の乳児もいるため、全員が全員走り回ったりするわけではありません。また広い敷地を確保することが難しい都心部では、狭いスペースに何十人といった子どもが生活していることが珍しくなく、小規模保育室だからといって極端に狭いというわけではないと感じました。

理由②:晴れている日は必ず外出している

園庭がない代わりに晴れている日は必ず外出しています。園児の数が少ないため、可動性が高く、警察署や鉄道博物館浄水場などいろいろな施設に連れていってもらいます。また近くの公立保育園とも提携しており、園庭で一緒に遊ばせてもらうこともあります。園庭がない分、いろいろなところに連れていってもらえて、息子もとても楽しそうです。

理由③:意外と10人全員出席することがない

これは通ってみてはじめて気が付いたことです。休日出勤の保護者が多いのか、平日に10人全員が揃っていることは稀でした。時間帯や曜日によっては、先生の数の方が多いくらいです。そう思うと、ぎゅうぎゅうにひしめき合っている印象はあまりありませんでした。

どんなことをして過ごしているの?

過ごし方は、一般的な認可保育園と変わりません。朝の会、外遊び、昼食、午睡、自由遊び、帰りの会といった流れです。夏場はベランダにプールを出して水遊びもします。雨の日は室内で遊びますが、子どもたちが退屈しないよう滑り台やボールプールなど、さまざまなおもちゃを用意してくれています。どこにそんな収納されているのだろう?と思うほど、本当にいろいろな種類のおもちゃがあります。

あとは外部の講師の人を招いたアート教室も開催しています。部屋全体に新聞紙を引いて、思いっきり自由に描くスタイルです。この日は服も絵の具でベタベタです。0歳からこういったユニークな取り組みができるところも小規模保育ならでは、ではないでしょうか。

入園式や運動会ってあるの?

たーたんの通う小規模保育室には、提携している保育園がいくつかあります。運動会など広い場所が必要になる場合は、そういった保育園の行事に参加させてもらうこともあります。

ただ保育室側も試行錯誤している感じです。実際今年の運動会は、小規模保育室だけで行う予定です。10人足らずで、いったいどんな運動会になるのか、今から楽しみです。

入園式はありませんでした。卒園式はマンションの一室で、メダルの授与式や歌を歌ったりとアットホームに行われました。イメージしていた卒園式とは大きく違いましたが、それでも涙する卒園児の保護者の人を見ていると、大切なのは卒園式という舞台なのだと感じました。

小規模保育のメリットは?

圧倒的なアットホームさです。担任の先生だけでなく、たくさんの先生に見守られながら、保育をしてもらえているとひしひし感じます。少人数だからこそ、入室してすぐ、すべての先生に名前を覚えてもらえました。

定期的に保育園での様子をブログにアップしていますが、必ず園児全員が載るように配慮してくれています。大規模保育園に通う友人は「園児の数が多すぎて、月に一回しかブログに載っていないこともある…」とぼやいていたので、ブログを見るたびに息子の顔を見つけられることは、親としてはうれしいです。

我が家には0歳の次男こーたんがいて、自宅保育をしています。保育園に通っていないにも関わらず、次男こーたんの名前も、ほとんどの先生が知ってくれています。長男だけでなく、次男、そして保護者にも目を向けてくれる、本当に素敵な保育室です。

小規模保育のデメリットは?

一番のデメリットは、3歳になるタイミングでもう一度保活を行わなければならない点です。せっかく保育室にも慣れてお友達もできたのに、3歳になったらまたゼロからのスタートです。さらにスタートできない可能性さえあるのです。

 これは3歳の壁と呼ばれており、小規模保育、家庭的保育、事業所内保育の増加に伴い、今後さらに問題となっていくことが危惧されています。

小規模保育室は2歳で卒業です。そのあとは、再度保育園への申し込みが必要となります。3歳以上の待機児童数は少ないとはいえ、確実に保育園に入れる保証はないのです。ちなみにたーたんの通う小規模保育室は、近くの幼稚園と提携しています。しかし長時間保育が可能な保育園を希望している我が家とはミスマッチ。保育室や自治体も、卒業後の受け入れ先として幼稚園や子ども園との提携を進めていますが、それでもやっぱり不安は残ります。

二人目も小規模保育室を希望する?

迷うところですが、希望しないと思います。小規模保育自体は、とても魅力的です。はじめは小規模保育嫌いだった私も、いまでは「大規模より断然小規模!」と思えるほどになりました。

しかし、兄弟児を別々の保育園に預けるのは親として負担です。できないことはないと思いますが…

どんな子が小規模保育に向いている?

3歳から幼稚園に預けようと思っている人は、小規模保育室がおすすめです。幼稚園であれば、3歳の壁も関係ありません。個人的には幼児教育に力を入れたい人も、小規模保育が向いているように感じます。

小規模保育は0歳児から2歳児しかいないため、そこにスポットを当てた活動をしてくれます。はじめは「アート教室なんてまだ早いのでは?」と思っていましたが、親が思っている以上に、子どもはできます。長男たーたんがブラシやローラーなどの道具を使って、力いっぱい絵を描けるようになったのは、保育室のアート教室のおかげです。

小規模保育ってかわいそう?

決してそんなことはありません!小規模保育室に預けていると伝えると、何度も「そうなんだ…かわいそうだね。」という言葉をかけられました。私も実際に通わせるまでは、そう思っていました。マンションの一室にぎゅうぎゅうに押し込められている印象が強かったからかもしれません。

けれども先生方は、子どもたちが少しでも楽しく過ごせるよう、いろいろな工夫をしてくれています。息子はたくさんの先生に気をかけてもらいながら、元気いっぱいに過ごしています。

先生方とのコミュニケーションも取りやすく、忘れ物があってもやさしくフォローしてくれました。産前産後のときは、私自身にも何度も温かい言葉をかけてもらいました。

はじめこそ不安がありましたが、今ではアットホームな小規模保育室が大好きです。みなさんも家の近くに小規模保育室があれば、ぜひ一度見学に行ってみてはいかがでしょうか。