東京・横浜マザーズ通信

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マタニティマークだけじゃない?妊娠中のヘルプマークという選択肢

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こんにちは。松納言(しょうなごん)です。

 

前回マタニティマークに関する記事を書いたところ、「最近話題のヘルプマークって妊娠中に使えるの?」という質問がありました。そこで今回はヘルプマークの入手方法や妊娠中の活用の仕方について紹介していきたいと思います。

 

妊娠中にヘルプマークは使えるの?

東京都のホームページでは、妊婦もヘルプマークが使用できると記載されています。

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。

ただしその対象は、妊娠初期に限っているようです。お腹が出てくる妊娠中期以降は、ヘルプマークをつけなくても配慮してもらえるということでしょう。ヘルプマークの目的は、外見からはわからない病気や障害を抱えている人を援助することです。このルールに従うと、妊娠初期にのみ活用するのがいいのかもしれません。

そもそもヘルプマークって何?

ヘルプマークとは、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人々が、周りの助けを得やすくなるよう作成されたものです。ストラップの裏側には、任意で必要な支援を記載したシールを貼ることができます。

ヘルプマークの取り組みは、東京都からスタートしました。2012年に配布がはじまり、都営地下鉄を中心に広がりを見せてきました。そして2017年、経済産業省においても、全国共通のJIS(案内用図記号)に採用されました。これは2020年の東京オリンピックパラリンピックを見据えての決定です。

これによりヘルプマークは、全国共通のマークとなり、多様な場所で活用できるようになりました。2018年2月の段階で、19の都道府県で導入されています。

京都府和歌山県徳島県青森県奈良県・神奈川県・滋賀県大阪府岐阜県・栃木県・広島県・北海道・秋田県愛媛県島根県兵庫県鳥取県静岡県

出典:ヘルプマーク|東京都福祉保健局 

ヘルプマークの入手方法は?

 ヘルプマークは、都営地下鉄各線、都営バス、都営荒川線、日暮里・舎人ライナーゆりかもめ多摩モノレールの駅務室で入手することができます。また都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院、一部の民間企業でも配布しています。

ヘルプマークは、東京都がはじめた取り組みとなっているため、今のところ都営の交通機関や施設での入手が中心です。今後は、JRをはじめ首都圏の公共交通機関での配布の広がりが期待されています。

もし身近に入手できる場所がなければ、ガイドラインに従って自作のヘルプマークグッズを作成することも可能です。東京都では活用状況を把握するため、申請書が用意されています。会社や事業者として活用したい場合は、東京都福祉保健局の障害者推進部計画課に相談するとよいでしょう。

ヘルプマークってどれだけ認知されているの?

ヘルプマークの取り組みがはじまり、今年で6年目です。厚生労働省が主体となってはじめたマタニティマークに対し、ヘルプマークは東京都がはじめた制度です。2017年に経済産業省のお墨付きをもらったものの、まだまだ全国的な認知度は高くありません。ただ確実に広がりを見せています。2017年には、ヘルプマークの需要が急増し、供給が追い付かない事態にもなりました。首都圏を中心に、徐々に認知度はあがっていくでしょう。

妊娠中のヘルプマーク活用法

 ヘルプマークには、ストラップ・説明書・シールが同封されています。

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説明書には、ヘルプマークの活用法や注意事項、シールの書き方が記載されています。シールには援助が必要な理由と緊急時の連絡先などを記入します。妊婦さんの場合は、妊娠していること・通っている病院名・緊急連絡先などを書きましょう。

記入後はストラップの裏側に貼って、カバンに取り付けます。わかりやすい場所に付けることで、周りの人から配慮してもらいやすくなるはずです。

あえてヘルプマークを使う理由

マタニティマークは妊娠中の女性のために作られたものです。また全国共通の取り組みで、ヘルプマークより認知度もあります。妊婦=マタニティマークが定着しつつある中、妊娠中にあえてヘルプマークを使うメリットはなんでしょうか。

私は妊娠を全面に押し出さなくても配慮してもらえる点にあると考えます。極端な言い方をすれば、「妊娠していることは隠したい、けれども電車で席に座りたい」ということです。マタニティマークが浸透すると共に、マタニティマークに関するネガティブな出来事が起こることがわかってきました。「知らない人から暴言を吐かれた」「突然お腹を殴られた」、そんなことを聞くとマタニティマークをつけることが怖くなります。

それに対してヘルプマークは、何かしらの理由で援助が必要だという、曖昧な理由で周りから配慮してもらうことができます。もちろんヘルプマークの裏面に、症状を記載できますが、そこまで見る人は決して多くはありません。

不思議なことに「よくわからないけど困っている人がいる」方が「妊婦だから」とアピールするよりも席を譲ってもらいやすくなるのです。もちろん妊婦さんに対しても好意的に接してくれる人がほとんどです。けれども妊婦に対してマイナスイメージを持っている人が一定数いるのも事実です。こういった人たちとの摩擦を避ける意味で、ヘルプマークは有効といえるでしょう。

まとめ

妊娠中はマタニティマークだけでなく、ヘルプマークという選択肢もあります。つわりでつらいとき、電車やバスで配慮してもらえると、とても助かりますよね。ただ妊娠は病気ではありません。日によっては、体調が良いときがあるかもしれません。そんなときヘルプマークをつけた人や体調が悪そうな人、高齢者の方を見かけたら、席を譲ってみましょう。助け合いの精神を持つことで、みんなが気持ちよく過ごせる社会が形作られていくはずです。